吐き気・嘔吐とは

吐き気（悪心）とは、「胃の中のものを吐き出しそうな感覚」のことを指します。実際に口から胃の内容物が出てしまう状態が「嘔吐」です。一時的な食べすぎやストレスなどで起こることもありますが、胃腸の病気、ウイルス感染、薬の副作用、さらには脳や全身疾患が原因となることもあります。「なんとなく気持ち悪い」「食欲がない」「胃がむかむかする」などの症状が続く場合は、消化器のトラブルが隠れている可能性があります。

注意すべき吐き気・嘔吐

一過性の吐き気は自然に治ることもありますが、以下のような場合は注意が必要です。

• 吐き気・嘔吐が何日も続く
• 吐いたものに血が混じる（吐血）
• 嘔吐に強い腹痛や発熱を伴う
• 体重が減ってきている
• 食事がとれず、水分も摂れない

こうした症状がみられる場合、胃潰瘍や胃がん、腸閉塞、膵臓や肝臓の病気など、より重い疾患が隠れていることがあります。自己判断で我慢せず、早めに医療機関を受診することが大切です。

吐き気・嘔吐と胃がんのリスク

胃がんは初期には自覚症状が少ない病気ですが、進行してくると「食後のむかつき」「少量で満腹になる」「持続する吐き気」などの症状が出ることがあります。また、胃の出口（幽門部）にがんができると、食べたものが腸へ流れにくくなり、吐き気や嘔吐を繰り返すこともあります。特に、長引く吐き気や原因のわからない嘔吐が続く場合は、胃がんやポリープなどの病変がないかを胃カメラで確認することが重要です。

吐き気・嘔吐と関係のある病気

吐き気や嘔吐を引き起こす病気は多岐にわたります。

• 急性胃腸炎（ウイルス・細菌感染）
• 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
• 逆流性食道炎
• 機能性ディスペプシア（胃の働きの異常）
• 胃がん・食道がん
• 胆石・膵炎などの消化器疾患
• 脳出血・脳腫瘍など中枢神経疾患
• 薬の副作用・ストレス性障害

このように、消化器だけでなく全身の疾患が関与することもあります。内視鏡を用いた検査によって、胃や十二指腸の粘膜の状態を直接確認することで、原因を明らかにできます。

吐き気・嘔吐と胃カメラ検査

当院では、吐き気や嘔吐の原因を調べる際、胃カメラ検査（上部消化管内視鏡検査）をおすすめしています。胃カメラでは、胃炎・潰瘍・ポリープ・がんなどの有無を直接確認でき、必要に応じて組織検査（生検）も行えます。恵比寿おだぎ内視鏡・消化器胃腸内科クリニックでは、鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査を実施しています。「吐き気が強くて胃カメラが不安」という方でも安心して検査を受けていただけます。

吐き気・嘔吐の治し方

治療は原因に応じて異なります。胃炎や潰瘍がある場合は胃酸を抑える薬を使用し、感染性胃腸炎では整腸剤や制吐薬で症状を和らげます。機能性ディスペプシアやストレス性の吐き気では、胃の運動を整える薬や自律神経を調整する治療を行うこともあります。まずは原因をしっかり特定し、それに合わせた適切な治療を行うことが大切です。

自宅でできる吐き気・嘔吐対策

軽い吐き気であれば、以下のような工夫で症状が落ち着くことがあります。

• 無理に食べず、消化の良いものを少量ずつ摂る
• 冷たい水や経口補水液でこまめに水分補給をする
• 揚げ物や脂っこい食事、刺激物を避ける
• 睡眠不足やストレスをためない
• 強い吐き気が続く場合は無理せず休養する

それでも症状が長引く場合や、繰り返す場合は、自己判断せず医師の診察を受けてください。原因を特定し、早めに適切な治療を行うことで、重症化を防ぐことができます。

恵比寿おだぎ内視鏡・消化器胃腸内科クリニックから

吐き気や嘔吐は、体の不調を知らせるサインの一つです。一時的なものと思って放置しているうちに、胃潰瘍や胃がんなどの病気が進行してしまうこともあります。恵比寿駅からアクセスの良い当院では、経験豊富な内視鏡専門医が丁寧に診察・検査を行っています。原因がはっきりしない吐き気や嘔吐でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。