便秘
便秘

便秘は大きく「機能性便秘」と「器質性便秘」に分けられます。
機能性便秘は腸の動きや排便反射の異常によって起こるもので、さらに次のように分類されます。
一方、器質性便秘は大腸ポリープやがん、炎症などの病気によって腸管が狭くなることで起こります。このタイプは放置すると重篤化するおそれがあり、早期の精密検査が重要です。
以下のような症状がある場合は、単純な機能性便秘ではなく、腸の器質的疾患や内分泌疾患などが隠れている可能性があります。
これらは大腸がんや炎症性腸疾患の初期症状であることもあり、軽視は禁物です。当院では症状の背景を慎重に評価し、必要に応じて早期に内視鏡検査を行います。
便秘が長期間続いている方、または便の形状が変化してきた方は、一度大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。大腸ポリープやがん、憩室炎、腸管癒着などによって便の通過が妨げられている場合、薬だけでは改善しません。
当院では、鎮静剤を使用した苦痛の少ない大腸カメラ検査を行っており、腸の粘膜の状態を詳細に確認できます。慢性的な便秘の中に、思わぬ疾患が隠れていることもあります。「若いから大丈夫」と思わず、40歳を過ぎたら一度は検査を受けることが安心につながります。
便秘が長く続くと、腸内に老廃物が滞留し、悪玉菌が増えることでガスの発生や腸内細菌叢(フローラ)の乱れが生じます。その結果、腹部膨満感や肌荒れ、倦怠感、集中力の低下など、全身にさまざまな影響を及ぼします。
さらに近年では、腸と脳が神経で密接につながっている「腸脳相関」が注目されており、便秘がストレスや抑うつ傾向に関係することも分かってきています。単に“お通じの問題”ではなく、腸の健康が心身全体の健康の基盤であるといえます。
当院では、まず問診や腹部触診を通して便秘のタイプを見極め、必要に応じて血液検査・腹部X線・大腸内視鏡検査などを行います。そのうえで、患者さん一人ひとりの腸の状態に合わせて治療方針を立てます。
治療の中心は、生活習慣の是正と薬物療法のバランスです。
薬物治療では、酸化マグネシウムなどの塩類下剤、腸の動きを整える薬、便をやわらかくする薬、そして近年注目される「大腸機能改善薬」などを組み合わせます。効果と副作用のバランスを確認しながら、自然な排便を取り戻すことを目指します。
軽度の便秘であれば、生活習慣の改善が非常に有効です。朝起きてコップ1杯の水を飲む、朝食をしっかりとる、排便のタイミングを逃さないなど、腸に“リズム”をつけることが重要です。また、睡眠不足やストレスも腸の動きを鈍らせるため、腸を休める時間を意識的に確保することも大切です。それでも改善が見られない場合は、無理せず専門医に相談してください。市販薬を漫然と使用すると、腸が薬に依存してしまうこともあります。
市販の便秘薬にはさまざまな種類があります。刺激性下剤(センナ・ビサコジルなど)は即効性がありますが、長期使用で腸の感受性が低下することがあります。一方で、酸化マグネシウムや整腸剤(乳酸菌製剤、酪酸菌製剤など)は比較的穏やかに作用し、体質に合わせて使いやすい薬です。
ただし、自己判断で薬を続けてしまうと、便秘の原因となる疾患を見逃すおそれもあります。当院では、市販薬の使い方や切り替えのタイミングについても丁寧にアドバイスしています。
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