大腸ポリープ
大腸ポリープ

大腸の内側は「粘膜」というやわらかい膜で覆われています。その一部がイボのように盛り上がってできたものを「大腸ポリープ」と呼びます。大腸ポリープは大きく「腫瘍性ポリープ」と「非腫瘍性ポリープ」に分けられ、さらに腫瘍性ポリープには腺腫とがん、非腫瘍性ポリープには過形成性ポリープ、過誤腫性ポリープ、炎症性ポリープなどがあります。
このうち、将来的に大腸がんへ進行するおそれがあるのは「腺腫」です。大腸がんの多くは、健康な粘膜からまず腺腫(良性のポリープ)が生じ、それが時間をかけて悪性化していく過程で発生します。したがって、腺腫の段階でポリープを切除しておくことは、大腸がんの予防に非常に有効です。
ポリープができる根本的な原因は、主に遺伝子の変化と考えられています。その背景には、加齢や食生活、生活習慣などが関係しているといわれています。
具体的には、
といった要因がポリープの発生やがん化のリスクを高めるとされています。
なかでも「家族性腺腫性ポリポーシス」という遺伝性疾患では、10歳代から多数のポリープが大腸に出現し、治療せず放置するとほぼ100%がん化するといわれています。また、ポリープの数は少ないものの家族内で大腸がんが多発する「リンチ症候群」も知られています。ご家族に大腸ポリープや大腸がんと診断された方がいらっしゃる場合は、早めに内視鏡検査を受けることをおすすめします。
ほとんどの大腸ポリープは自覚症状がありません。とくに小さなポリープは、検診や内視鏡検査で偶然見つかることが多く、自分では気づかないことがほとんどです。
一方で、肛門に近い部位にできたポリープでは、
といった症状が現れることがあります。
まれに、大きなポリープが腸の通りを妨げて腸閉塞を起こしたり、肛門から突出することもあります。このような症状がある場合は、放置せずに早めの受診が大切です。
大腸ポリープを見つけるための基本検査は便潜血検査です。2日間の便を調べ、1日でも陽性であれば、大腸内視鏡検査による精密検査が推奨されます。
便潜血検査は進行がんの約9割、早期がんの半数近くを検出できるとされており、定期的に受けることで大腸がんの発症・死亡リスクを大きく下げることが知られています。
また、便潜血が陰性でも、血便や腹痛、便が細くなるなどの症状がある場合や、ご家族に大腸がんの既往がある場合には、直接大腸内視鏡検査を行うことがあります。
内視鏡検査では、大腸の粘膜を直接観察でき、ポリープの大きさや形、血管の走行などから病変の性質を判定します。必要に応じて、「色素内視鏡」や「拡大観察」「特殊光観察」などを用いて、より正確に診断を行います。
治療が必要と判断された場合には、その場でポリープを切除し、病理組織検査で良性か悪性かを最終的に確認します。多くのケースでは内視鏡で完結しますが、がんの進行がみられる場合などは外科手術を検討します。
内視鏡で行う治療には、病変の形態や大きさに応じていくつかの方法があります。
ポリペクトミー
茎のあるポリープに対して、ワイヤー状のスネアをかけて高周波電流で焼き切る方法です。
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
平坦なポリープに対して、粘膜の下に薬液を注入して持ち上げ、スネアで切除します。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
より大きな病変や、平坦で持ち上がりにくいポリープに対して、専用の電気メスで少しずつ剥離しながら切除する高度な方法です。
恵比寿おだぎ内視鏡・消化器胃腸内科クリニックでは、大腸ポリープの多くを日帰りで安全に切除することが可能です。検査時間は通常10〜20分程度、ポリープ切除を行っても30分以内で終了します。
切除後は、出血などの合併症を防ぐために数日間の生活制限(刺激物や飲酒を控える、長湯を避けるなど)をお願いしています。大きな病変を切除した場合は、1週間程度の制限が必要になることもあります。
万が一、帰宅後に体調の変化があった場合に備え、当院では緊急時の連絡体制を整えています。これまで重篤な合併症はほとんどなく、安全性の高い内視鏡治療を行っています。大腸ポリープは、早期に発見・治療することで大腸がんを確実に予防できます。ぜひ一度、検診や内視鏡検査をご検討ください。
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