逆流性食道炎とは

逆流性食道炎とは、胃の内容物が食道に逆流し、食道の粘膜に炎症を起こす病気です。胃酸は本来、食べ物を消化するために強い酸性を保っていますが、これが食道側に上がることで、胸やけや喉の違和感、呑酸（すっぱい液が上がってくる感じ）などの不快な症状を引き起こします。
現代では食生活の欧米化やストレス、姿勢の影響などから発症する方が増えています。
当院では、こうした症状を「一時的な不快感」として片づけず、専門医による精密な診断と適切な治療を行っています。

逆流性食道炎とがん

逆流性食道炎を長期間放置すると、食道の粘膜が慢性的に胃酸にさらされ、「バレット食道」と呼ばれる状態に変化することがあります。
このバレット食道は、将来的に食道腺がんの発生リスクを高めることが知られています。そのため、症状が軽くても「慢性的な胸やけが続く」「のどの違和感が取れない」といった場合には、一度きちんと検査を受けることが大切です。
当院では、胃カメラによる詳細な観察で、粘膜のわずかな変化も見逃さないよう努めています。

当院の逆流性食道炎治療

当院では、まず問診と検査を通じて症状の原因を明確にしたうえで、生活習慣の改善指導と薬物療法を組み合わせた治療を行います。胃酸の分泌を抑える薬（PPI・P-CAB）を中心に、症状の程度や再発のしやすさに応じて投薬内容を調整します。
また、睡眠時の姿勢、食事のタイミング、体重管理など、日常生活の工夫も非常に大切です。食後すぐに横にならない、就寝前の飲食を控える、など一人一人のライフスタイルに合わせた具体的な改善ポイントを丁寧にお伝えしています。再発を防ぎ、長期的に快適な生活を送っていただけるよう、丁寧なフォローを行っています。

逆流性食道炎と胃カメラ検査

逆流性食道炎は、症状だけでは他の疾患（胃潰瘍、胃がん、咽喉頭逆流症など）と区別が難しいことがあります。そのため、胃カメラ検査（上部消化管内視鏡検査）によって、食道や胃の粘膜を直接観察することが重要です。当院では、最新の内視鏡を用いた苦痛の少ない検査を行っており、鼻からの内視鏡や鎮静下検査にも対応しています。

逆流性食道炎を放置する危険性

一時的な胸やけだからと放っておくと、食道の炎症が進行して潰瘍や出血を起こしたり、食道が狭くなって食べ物が通りにくくなることもあります。また、先述のようにバレット食道や食道がんのリスクが高まるため、慢性的な症状は軽視できません。「薬を飲めば一時的に良くなるが、すぐ再発する」という場合も、根本的な原因が解決していないサインです。定期的な診察・検査を通じて、症状の再発を防ぐことが重要です。

逆流性食道炎になりやすい人

脂っこい食事やアルコール、コーヒーをよく摂る方

• 食後すぐに横になる習慣がある方
• 肥満気味の方
• ストレスや睡眠不足が続いている方
• 加齢による胃・食道の機能低下がある方

こうした生活習慣や体質が重なることで、逆流性食道炎のリスクが高まります。当院では、症状だけでなく生活背景を含めた総合的なアプローチで再発予防を行います。

逆流性食道炎は自力で治せる？

軽度の逆流性食道炎であれば、食事内容や生活習慣の見直しで症状が改善することもあります。しかし、多くの場合は薬の力を借りながら治療を進めた方が早く確実に回復します。「市販薬でしのいでいる」「我慢すれば落ち着く」といった状態を繰り返すと、慢性化することがあります。
早めに専門の消化器内科で診察を受けることが、再発を防ぐ最も確実な方法です。
当院では、内視鏡専門医による診察と、患者さんの生活に寄り添った治療を行っています。