萎縮性胃炎
萎縮性胃炎

萎縮性胃炎とは、長年続く胃の炎症(慢性胃炎)が原因となり、胃粘膜にある本来の腺組織が少しずつ減って薄くなる状態を指します。胃カメラでは、粘膜がやや色調を失い、血管が透けて見えるような特徴がみられます。病理学的には、胃の固有腺が減少・消失した状態と定義されます。
萎縮が進行すると、胃の粘膜が腸の粘膜のような性質へと変化する「腸上皮化生」という現象が起こることがあります。この腸上皮化生の一部は将来的に胃がんの発生母地になりうることが知られており、経過観察がとても大切です。
萎縮性胃炎の原因は大きく2つに分類されます。
日本人に最も多いタイプです。幼少期に感染したピロリ菌が長年にわたり胃粘膜に炎症を起こし、その結果、萎縮が進んでいきます。萎縮が進行すると、腸上皮化生を経て胃がんのリスクが高くなることが知られています。
自己免疫の異常によって胃の壁細胞が障害されるタイプです。悪性貧血と関連することもあります。
いずれのタイプも共通して、「長年の炎症 → 萎縮 → 腸上皮化生」という流れで変化が進むため、早期に原因を見つけて対処することが重要です。
萎縮性胃炎は、約半数の方がほとんど症状を感じません。しかし、胃酸や消化液の分泌が低下するため、次のような症状が出ることがあります。
症状が軽くても、背景に萎縮や腸上皮化生が存在するケースが少なくないため、定期的な内視鏡が大切です。
診断の中心となるのは上部内視鏡検査(胃カメラ)です。胃カメラでは、萎縮の範囲や程度、腸上皮化生の有無を直接確認できます。萎縮が強いほど胃がんの発生リスクが高いことが分かっています。
バリウム検査では萎縮の程度を正確に評価することはできません。胃がんリスクを把握するためにも、胃カメラでの確認が推奨されています。
ピロリ菌が確認された場合、まずは除菌治療が基本となります。
1日2回、1週間の内服治療で除菌を行います。内視鏡で慢性胃炎と診断された方は、保険適用で2回まで除菌治療を受けられます。
除菌によって炎症の進行は止められますが、すでに萎縮や腸上皮化生が存在する場合は消失しないため、その後の定期的な胃カメラがとても重要です。
症状がある場合には
などを併用して症状を改善させます。
市販薬で一時的に楽になることもありますが、萎縮性胃炎の背後には胃がんを含む病気が隠れていることがありますので、自己判断で治療を続けることはおすすめできません。
ピロリ菌除菌後、または自然除菌済みの方(既感染)は、胃がんの発生リスクをゼロにはできません。そのため、年に1回の胃カメラ検査が推奨されています。
萎縮や腸上皮化生は内視鏡で丁寧に観察することで、早期の異常を見つけやすくなります。
恵比寿おだぎ内視鏡・消化器胃腸内科クリニックでは、萎縮性胃炎や腸上皮化生の経過観察を安全・正確に行うため、検査設備と体制にこだわっています。
「眠っている間に検査を受けたい」「苦しくない検査を希望したい」という方には、鎮静剤を使用した胃カメラを実施しています。ウトウトとリラックスした状態で検査ができるため、萎縮の範囲や微細な変化を精密に観察する際にも有用です。
細径スコープを用いた経鼻内視鏡に対応しており、嘔吐反射が少なく、会話も可能なため、初めての方や検査が苦手な方でも受けやすい検査です。
当院では、内視鏡専門医がすべての胃カメラ検査を担当しています。萎縮性胃炎・腸上皮化生・微小な早期胃がんなどは、観察技術によって見落としが生じやすい領域です。
専門医としての経験を活かし、粘膜の色調・血管の変化・拡大観察などを細かく行い、精度の高い診断を心がけています。
粘膜の微妙な色の違いや構造変化を強調して表示できる特殊光観察(BLIなど)に対応した内視鏡を使用しています。萎縮や腸上皮化生の評価はもちろん、早期胃がんの発見にも威力を発揮します。
女性医師による内視鏡にも対応可能です(事前に日時お問い合わせください)。過去に辛い思いをされた方や、不安の強い方もご相談ください。
忙しい方でも検査を受けやすいよう、
などを整えています。
萎縮性胃炎は、症状が乏しくても経過とともに変化していく病気です。
「以前より胃が弱くなった気がする」「胃カメラをしばらく受けていない」という方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
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