潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる病気で、「炎症性腸疾患（IBD）」の一つに分類されます。炎症は主に粘膜表面にとどまり、びらんや潰瘍といった病変を形成します。多くの場合、直腸から炎症が始まり、上部（口側）へと連続的に広がっていくのが特徴です。
代表的な症状には、下痢・血便・腹痛があり、症状が悪化する「再燃期」と、落ち着いた「寛解期」を繰り返すことが知られています。発症は若年層から中年層に多いものの、近年は高齢者や小児でもみられます。日本では厚生労働省の指定難病に認定されており、患者数は年々増加しています。
原因はまだ明確には解明されていませんが、遺伝的素因・免疫の異常・腸内細菌のバランスの乱れ・ストレスや生活環境など、複数の要因が関与していると考えられています。適切な治療を継続することで症状をコントロールし、仕事や学業などの日常生活を送りながら病気と向き合っていくことが可能です。恵比寿おだぎ内視鏡・消化器胃腸内科クリニックでは、早期診断と適切な治療、そして継続的なフォローアップを通じて、安心して過ごせる日常をサポートしています。

潰瘍性大腸炎の分類

潰瘍性大腸炎は、炎症の範囲と重症度によって分類されます。炎症は大腸の粘膜層に限られるのが特徴です。

炎症の広がりによる分類

炎症の範囲が広いほど症状は強くなり、合併症のリスクも高まります。また、重症度に応じて「軽症」「中等症」「重症」「劇症」に分類され、治療方針が決まります。多くの方は軽症〜中等症の経過をたどり、再燃と寛解を繰り返すことが多く長期的に経過観察を行うことが重要です。

潰瘍性大腸炎の主な症状

最も多い症状は下痢・血便・腹痛です。血液や粘液を含む便が続くのが特徴で、一日に何度も排便があるケースもあります。
症状が進むと、発熱・貧血・倦怠感などの全身症状が現れ、体重減少や栄養障害を伴うこともあります。小児では成長の遅れを招くこともあります。
さらに、関節痛・皮膚炎・眼の炎症・アフタ性口内炎・肝胆道系の異常など、腸以外の症状（腸管外症状）が出ることもあります。

よくみられる症状

• 下痢（粘血便）
• 血便
• 腹痛

注意が必要な全身症状

• 発熱（原因不明のもの）
• 倦怠感・疲労感
• 関節痛
• 貧血（ふらつき・立ちくらみ）
• 体重減少
• 小児の成長の遅れ

検査・診断

問診では、便の性状・腹痛の程度・発熱や倦怠感の有無などを確認します。その後、便検査や血液検査で、感染性腸炎など他の疾患を除外し、貧血や炎症反応、栄養状態を評価します。服用中の薬剤による腸炎が疑われる場合もあるため、お薬の確認も重要です。
診断には大腸内視鏡検査が欠かせません。内視鏡で大腸の粘膜を観察し、びらんや潰瘍の有無、炎症の範囲を確認します。必要に応じて粘膜の一部を採取して病理検査を行い、確定診断につなげます。また、腹部X線検査で腸の状態を把握することもあります。
恵比寿おだぎ内視鏡・消化器胃腸内科クリニックでは、内視鏡専門医による丁寧な検査と、鎮静剤を使用した眠っている間に終わる内視鏡検査を行っています。リラックスした状態で、苦痛や不快感をほとんど感じることなく検査を受けていただけます。

潰瘍性大腸炎の治療

治療は病状に応じて段階的に行い、炎症を抑えて症状を改善し、寛解状態を維持することが目的です。

薬物療法

薬物療法は病状の重症度や治療反応に応じて段階的に選択されます。

5-ASA製剤（5-アミノサリチル酸製剤）

ステロイド薬

免疫調節薬

生物学的製剤（抗TNF-α抗体・抗インテグリン抗体・抗IL-12/23抗体など）

分子標的型の新しい経口薬（JAK阻害薬・S1P受容体調節薬など）

血球成分除去療法

薬剤で効果が不十分な場合、血液中から炎症に関与する白血球を除去する「血球成分除去療法」が選択されることがあります。副作用が少なく、難治性潰瘍性大腸炎に有効とされています。

外科的治療

大量出血や穿孔、がん化など重篤な合併症がある場合には、手術が検討されます。外科的治療により根治を目指すことができるケースもあります。

恵比寿おだぎ内視鏡・消化器胃腸内科クリニックの取り組み

潰瘍性大腸炎は長く付き合っていく病気ですが、適切な治療と生活管理で十分にコントロール可能です。当院では、内視鏡検査による早期診断をはじめ、薬物療法・生活指導・食事やストレスケアまで、患者さん一人ひとりの状態に合わせたサポートを行っています。
「下痢や血便が続く」「疲れやすい」「便に違和感がある」など、気になる症状がある方は、早めの受診をおすすめします。恵比寿おだぎ内視鏡・消化器胃腸内科クリニックでは、患者さんが安心して日常生活を送れるよう、継続的なサポートと最適な治療を提供しています。