ピロリ菌
ピロリ菌

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)は、胃の粘膜に住みつくらせん状の細菌です。胃の中は強い酸性の胃液で満たされていますが、ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を利用してアンモニアを作り出し、胃酸を中和することで過酷な環境の中でも生き延びることができます。酸素のある空気中では生息できず、乾燥にも弱いグラム陰性菌です。尾の部分に鞭毛(べんもう)を持ち、回転しながら胃の中を移動します。
ピロリ菌の感染は主に幼少期に起こるとされています。昔は上下水道が整備されていなかったため、衛生環境が不十分な中で感染が広がっていました。現代の日本では生活環境の向上により、新規感染は非常に少なくなっています。
大人になってから日常生活の中で感染することはほとんどありません。幼児期は胃酸の分泌が少ないため、胃の中が酸性に保たれにくく、ピロリ菌が定着しやすいといわれています。
感染経路の多くは家族内感染で、特に母親から子どもへの経口感染が主なルートと考えられています。
ピロリ菌に感染しても、すぐに潰瘍や胃がんを発症するわけではありません。しかし、感染したまま放置すると、慢性胃炎が続き、胃粘膜を守る力が弱まります。その結果、塩分や発がん性物質などの刺激を受けやすくなり、
などの発症リスクが高まります。
実際に、胃がん患者の9割以上がピロリ菌陽性と報告されており、除菌治療によるリスク低減が非常に重要です。
ピロリ菌の有無を調べる検査には、内視鏡を使う方法と使わない方法があります。
尿素呼気試験
診断薬を服用し、呼気中の二酸化炭素の変化を測定します。最も精度が高く、標準的な検査法です。
抗体測定(血液・尿検査)
血液や尿に含まれるピロリ菌抗体の有無を調べます。
便中抗原測定
便に含まれるピロリ菌の抗原を検出する方法です。
培養法
胃粘膜を採取して培養し、菌の有無を確認します。
迅速ウレアーゼ試験
胃粘膜を特殊な反応液に浸し、色の変化で判定します。
組織鏡検法
染色した胃粘膜を顕微鏡で直接観察します。
PCR検査
ピロリ菌の有無の確認、さらには抗菌薬耐性遺伝子(クラリスロマイシン耐性遺伝子)の有無の解析までできますので、一次除菌が効かない原因(薬剤耐性菌かどうか)を調べるのに有用です。
当院では、症状や検査目的に応じて最適な方法を選択し、精度の高い診断を行っています。
除菌治療には、
の3剤を1週間服用します。この治療で約8割の方が除菌に成功しますが、成功しなかった場合は二次・三次除菌を行います。
処方された薬は用法・用量を厳守してください。自己判断で服用を中止すると、ピロリ菌が耐性を持ち、除菌効果が下がるおそれがあります。
除菌治療を行った後は、8週間以上経過してから再検査を行い、除菌の成否を確認します。当院では、誤判定を防ぐために十分な間隔をあけての再検査を推奨しています。
また、除菌後も胃がんのリスクは完全にはゼロになりません。除菌後10年以上経ってから胃がんが見つかるケースもあり、定期的な胃カメラ検査が非常に大切です。
胃カメラ検査で「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」「慢性胃炎」などの所見が認められた場合、保険診療の対象となります。
一方、「胃カメラを受けずに検査だけ希望される方」「自覚症状がないがリスクを確認したい方」には、自費での検査・除菌治療を行っています。
| 自費検査内容 | 費用(税別) |
|---|---|
| 尿素呼気試験 | 5,500円 |
| 一次除菌 | 尿素呼気試験+除菌薬費用 約6,000円 |
| 二次除菌 | 同上 約6,000円 |
恵比寿おだぎ内視鏡・消化器胃腸内科クリニックでは、最新の内視鏡設備を用いた精度の高い検査と、患者さん一人ひとりに合わせた丁寧な除菌治療を行っています。
胃の不調や慢性的な胃炎、家族にピロリ菌陽性者がいる方は、ぜひ一度ご相談ください。
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